溶接にも色々な加工方法があります
溶接とは、2つ以上の部材を溶融・一体化させる作業のことを言います。接着と異なる点は、母材(融合したい材料のこと)を物理的に溶かすところです。溶接と言っても、いろいろな加工方法がありますので、代表的なものをご紹介します。
被覆アーク溶接
アーク溶接の基本で、いわゆる溶接棒を使う溶接のことをいいます。風に強いので、屋外でのアーク溶接には大体この溶接が使われています。
溶接に必要な機材は安価ですが、ホームセンターなどで売っているもので一次入力電圧が100Vのタイプは、工芸趣味用途以外ではほとんど使い物になりません。
使用する溶接棒は太く、比較的大電流のアーク放電で行うため薄板溶接は不可能です。
そのため、他の溶接方法と比べて最も難しいのがこの被覆アーク溶接です。
半自動アーク溶接
アーク溶接の一種。溶接ワイヤとシールドガスが自動的に供給されるので、被覆アーク溶接より作業性が良いのが特徴です。
また、風に弱いので屋内でのアーク溶接に使われることが多く、ガスの種類によりMIG溶接、MAG溶接、炭酸ガス溶接に分類されます。
最近ホームセンターなどにノンガス半自動溶接機が出回り始めましたが、一次入力電圧が100Vのタイプはほとんど使い物になりません。
ティグ溶接(TIG溶接)
電極にタングステン・シールドガスを、シールドガスにイナートガスを使用した溶接方法です。溶接部をガスでシールドしての溶接方法なので、風に弱く野外での作業には不向きですが、一般的にどこでも作業できます。
空冷の溶接機であれば、200Aや300Aくらいのものが多く、1ミリ以下から12ミリ程度の材料が溶接できます。
ただし、150A位の電流で1時間も連続使用すると、トーチが熱くて持っていられなくなるほどになりますが、水冷の溶接機ならば500Aという高出力のものがありますし、トーチはまったく熱くなりません。